新入生256名の皆さん、27名の大学院サステイナブルシステム科学研究科博士前期課程に進学された皆さん、博士後期課程に進まれた3名の皆さん、誠におめでとうございます。公立小松大学を挙げて皆さんを歓迎します。
7年前に開学した本学は、開学後間もなく、コロナ禍に巻き込まれ、昨年元日能登半島地震が発生するなど、厳しい環境条件の中で、一歩一歩足許を踏み固めながら今日を迎えました。コロナや災害で命を失われた方々には、衷心より御冥福をお祈りし、被災された方々には心からお見舞い申し上げ、早期の能登復興に力を尽くしたいと存じます。
この間、本学は、大学院を創設し、920名の学部卒業生と、35名の修士課程修了生を送り出してきました。昨年4月には、大学院に博士課程が発足しました。このような本学において、皆さんは、それぞれの人生の大きな目標に向かって、勉学と課外活動に打ち込んで研鑽に励み、学問発展の途を教職員や市民県民の方々とともに歩んで頂ければ、幸いこれに過ぎるものはありません。
本学が、今日を迎えるまでには、ここに御臨席の宮橋勝栄市長さんはじめ小松市当局、新田寛之議長さんたち市議会議員各位、林勇二郎先生をはじめとする関連大学・学界の先生方、西正次会長をはじめとする本学協力会各社の皆様には格段の御高配を賜って参りました。さらに小松市民、近隣市町の皆様、石川県民や全国の本学に関係される皆様、関係諸官庁の方々からも力強い御支援を頂きました。心から御礼申し上げます。本当に、ありがとうございます。
本日、ここに集った入学生・進学生の皆さんは、地元の人もいれば、遠方から来られた人もいます。人にはみな自分の故郷があり、故郷を愛しています。皆さんも、強い愛郷心を持ち続け、同時に他の人の故郷を愛する気持ちを大事にして頂きたいと思います。それぞれの人の大切な故郷、土地、地域、国家を相互に尊重することが、世界の平和につながるものと確信します。そして、皆さん、学生生活を送るこの小松を愛してください。
この小松の地は、歴史が豊かに香っています。異説もありますが、平安時代に、昨年のNHK大河ドラマにも登場された花山法皇がこの地に来られて、町を流れる梯川の近辺に小さい松を植えられ、それが園の小松原と言われて、そこから小松という地名が起こったと言われています。
また、源平時代には、梯川の河口に安宅の関が設けられ、源平合戦の英雄源義経が兄頼朝の追及を避けて奥州に下った際、ここを通過したと言い伝えられています。この地で、関守富樫と武蔵坊弁慶が交わしたやりとり、特に義経弁慶の心中を思いやる富樫、彼は地元の代表とも言える役柄ですが、その富樫の言葉は私どもの心の琴線に触れて感動的であります。
「判官殿にもなき人を疑えばこそ、かく折檻もし給うなれ。今は疑い晴れ候。とくとく誘い通られよ。」と義経弁慶の通行を許し、挙句「我はこれよりなおも厳しく警固の役。方々、来たれ。」と退場します。
その史実性はともかく、安宅の関の一幕は、能「安宅」と歌舞伎「勧進帳」で広く知られ、小松では、ここ「石川県小松市團十郎芸術劇場うらら」の舞台で小学生、中学生によって「勧進帳」が毎年上演されており、昨年のお旅祭りでは曳山の上で大人気を博しました。
このように歴史上の出来事の虚実には、いわく言い難い味わいがありますが、現代に氾濫する大量の情報の中のフェイクに惑わされてはなりません。皆さん、ぜひ、その真偽を見分ける見識を培ってください。
皆さん、江戸時代に町の人々が小松学問所を創った小松、学問の伝統に輝くこの小松で、どうか実りある学生生活を送って下さい。我々はそのために全力を尽くすことをお約束して、歓迎の式辞と致します。
理事長 石田寛人


