
「サステイナブルシステム科学研究科」は、今後の地域・国際社会のサステイナビリティ(持続可能性)とその実現につながるシステム構築を担いうる人材育成を共通の目標とする「生産システム科学」、「ヘルスケアシステム科学」、「グローカル文化学」の3専攻からなります。
本学が有する工・文・医系の全アクティビティを結集、連携させ、持続可能な目標達成に向けての課題の相互関連性の認識と統合的な解決への意識を共有し、専攻の垣根を超えた連帯と協働で教育研究を行います。
本研究科は、工・文・医系の専門分野に応じ、かつ分野を超えて連携し、多様な専門知を備えてサステイナビリティ(持続可能性)に貢献しうる人材の育成という教育研究上の共通目標を達成するために、以下の基本理念と教育理念を定めます。
基本理念:
1.人類と地球の未来を視野に入れた教育・研究・社会連携活動を展開し、地域・国際社会の持続性への貢献をめざす。
2.人々が健康で幸せな生活を送ることができ、産業と文化の創成や振興につながる新しい文明価値の創造をめざす。
教育理念:
1.公立小松大学が有する工・文・医系の知的人的資源を活かし、AI・データ科学や他者とのコミュニケーション能力を共通リテラシーとして涵養し、地域・世界の持続性に資する多様な専門知識と技能を備え、時代と社会の変化にしなやかに対応できる人材育成を図る。
2.地域の社会人を積極的に受け入れ、ものづくり企業や保健・医療・福祉機関で働く人材の学び直し・学び足し・スキルアップに貢献する。また、外国人留学生・研究者を積極的に受け入れ、国際共同研究・多文化共生・我が国企業への就労・頭脳循環に貢献する。
※用語の定義
サステイナブルシステム...持続可能性への目的意識をもって体系的に構築、推進される工程、プロセス、制度、文化、政策。
サステイナブルシステム科学・・・持続可能性のためのシステムづくりを支える学問
・生産システム科学専攻・・・修士(工学)(Master of Science in Engineering)
・ヘルスケアシステム科学専攻・・・修士(保健学)(Master of Science in Health Sciences)
・グローカル文化学専攻・・・修士(国際文化学)(Master of Science in Intercultural Studies)
専攻科名 | 修業年限 | 入学定員 | 収容定員 |
---|---|---|---|
生産システム科学専攻 (Division of Production System Science) |
2年 | 15人 | 30人 |
ヘルスケアシステム科学専攻 (Division of Health Sciences) |
2年 | 3人 | 6人 |
グローカル文化学専攻 (Division of Glocal Cultures) |
2年 | 3人 | 6人 |
以下の資質を持つ者を求めます。
◯ 本学の学士課程が有する生産システム科学、保健医療、国際文化交流の各学部およびこれに相当する高等教育機関において基礎的な知識と技能を学修し、専門基礎に関する実習を了えた者。
◯ 地域と世界の持続可能性への高い志を有し、持続可能な社会実現のために、既存のアカデミズムの枠組みにとらわれず、活用可能なアイディアを現場と連携して創出することに強い興味と意欲を持つ者。他分野にも関心をもち、人類全体と身近な生活圏の持続可能性に係る課題発見・解決への粘り強い意欲を示す人。
◯ 個々の専門性を深めるなかで、国内外の研究者に対して共鳴力と協調性をもってコミュニケーションでき、生命の尊厳と人間性を重んじる倫理観をもって課題に向き合う人。
本研究科のカリキュラム・ポリシーを以下のとおり設定します。
◯履修計画及び研究課題の策定にあたり、オリエンテーション・ガイダンスでは、サステイナブルシステム科学の意義と目的を共有し、専攻を超えたコミュニケーションや交流のきっかけを与える。
◯研究の発展の基盤となる専門共通・応用科目を配置し、共通リテラシーの修得と持続可能性への多様な視点の涵養を促すとともに、課題選択の可能性を広め独創的な展開に資する基礎を形成させる。
◯専門分野に特化した専攻専門科目と他専攻が開講する分野横断的専攻専門科目の履修を通じて、専門分野の特長を際立たせるとともに、他の専門分野との対比・融合を促す。
◯ケーススタディ、フィールドワーク、インターンシップなどのアプローチを修了研究に含め、学生が個々の課題に創造力をもって実践的かつ総合的に取り組むことによって、研究力さらには社会実装へのポテンシャルを涵養する。
◯他専攻教員も含む複数教員による指導体制を構築し、学生と指導教員が地域課題とグローバル社会の課題を相互共有し、分野横断的なアプローチも含む独創的かつ高度な探求の素地を形成させる。
地域・世界の持続可能性に資する高度な専門知識と技能を修得したと評価され、主たる学問分野における特定の課題に関する研究成果を纏めた修士論文が審査に合格した学生に修士の学位を授与します。
◯ 専門共通・応用科目を通じて共通リテラシーを修得するとともにサステイナビリティへの意識を深め、専門分野においてそれらの学識とスキルを的確適正に駆使することができると評価できる。
◯ 持続性に関係すると考えられる地域・世界の課題を客観的な視点をもって探索し、解決へ向けた具体的な道筋を策定する能力を身につけたと評価される。
◯ 他専攻が開講する分野横断的専攻専門科目の履修を通じて、自専攻に限定されない視野と識見を備え、他分野とも協働していく積極的な探求姿勢を有すると評価できる。