ホーム大学案内理事長、学長の新春ごあいさつ(平成31年1月1日)
理事長、学長の新春ごあいさつ(平成31年1月1日)
年頭の御挨拶

公立小松大学 理事長 石田寛人

 新年おめでとうございます。
 平成30年4月に開学した公立小松大学は、新設校として懸命の歩みを続けて、はや9箇月を閲しました。この間、第一期生として入学した学生諸君の熱意ある勉学、教職員の献身的な働き、小松市当局の御尽力、小松市民、南加賀地域の方々、石川県当局や県民そして関係民間企業の温かい励まし、文部科学省と総務省による適確な御指導、金沢大学、北陸先端科学技術大学院大学をはじめとする高等教育機関やその協力団体による力強い御支援等によって、草創期の組織が逢着する困難を乗り越え、ここに新春を迎えるに至りましたことに、厚く厚く御礼申し上げます。
 225年前にこの小松の地には、「集義堂」と称する学問の場が設けられました。この学校は、藩校ではないものの、さりとて純粋な町人の学校でもなく、藩の許可を得て、医師や儒学者が講義を受け持ち、町奉行の支援のもとに、町の年寄が経営にあたるという独特の運営形態であったようで、現代流に言うと産学官の連携協力による知の創造と継承の場ということができましょう。この学校の所在地は明確には分かっていないものの、古地図などからすれば、今の小松市役所前の公会堂と空とこども絵本館の間くらいの所ではないかと私は考えており、我が家から極めて近くなので、頻繁にあたりを散策しつつ先人の学問への情熱に思いを馳せています。
 そして、今日、こうした伝統を有する地に、4年制大学が誕生し、市内、県内をはじめ、全国各地から若い男女の学生が集って、熱心に学ぶ姿を、私は格別の感動をもって見守っております。地方創生に貢献しつつ、わが国と人類の未来を拓く教育研究機関たることを目指す公立小松大学が、この新しい年、新しい御代に、大きく大きく羽ばたけるように、私どもは全力を尽くす覚悟であります。
 本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
新春ごあいさつ

公立小松大学 学長 山本 博

 新年明けましておめでとうございます。
 公立小松大学は本年、開学2年目を迎えます。昨年は、すべての学科で募集人員以上の入学者を得、大きな伸びしろを示す1期生も育ちました。本年は、2期生を迎え、粟津・末広両キャンパスの整備も成ります。2019年、公立小松大学は、教育・研究・社会貢献活動のさらなる充実をはたします。
 さて、今年の干支は己亥。亥は日本では猪ですが、海外では豚を当てている国が多いようです。チャールズ・ダーウィンの「種の起原」には、猪も豚も1度ずつしか登場しません。が、ジャレド・ダイヤモンドの人類史「銃、病原菌、鉄」では、猪は3回、豚は56回現れ、人類にとって、猪から豚への家畜化が如何に重要であったかが示されています。
 古代からつづく十二支ですが、現実世界での動物の構成比と役割は、文明の発達や社会の変化とともに大きく様変わりしてきています。ユヴァル・ノア・ハラリによれば、世界の大型動物の9割以上が、人間か人間のための家畜で占められるに至っています。人間が3割弱、豚などの家畜が7割弱です。子ーネズミは、医薬の研究に欠くべからざる存在になりましたし、馬の位置には20世紀以降、自動車がいるといって過言でないかもしれません。人間のインテリジェントなパートナーはいまや、申ではなく、ロボットやAIなどの非生物です。
 大学は、社会の変化に対応しつつ、不断に改善を重ね、どんな時代をも、つよくしなやかに生きぬいてゆける人材を育てなければなりません。公立小松大学は、複合大学のつよみを活かし、普遍的総合的な素養と優れた専門性を併せもつ人材を地域と世界に輩出します。
 最後に、前途有為の皆さんのご入学をお待ちいたしますとともに、2019年己亥が未来に向けた公立小松大学のステップの年となりますよう、各位のご支援とご協力をお願い申し上げ、新春のごあいさつといたします。