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大学院サステイナブルシステム科学研究科 盛永審一郎 客員教授による著書『世界は安楽死をどう考えどう迎えるか』が出版されました研究
大学院サステイナブルシステム科学研究科 盛永審一郎 客員教授が執筆した本『世界は安楽死をどう考えどう迎えるか』が出版されました。
【著書概要】
私たちは、自らの「終わり」を決められるのか―?
高齢化が進む日本で、終末期医療や安楽死は誰もが直面する課題となっている―。本書は、「死を選ぶ権利」はあるのか、「その意思を支援した他者は罰せられるのか」という根源的問いに、欧州各国の制度・判例・哲学的議論を通して迫る。安楽死を単なる自由の問題ではなく、プライバシー権・尊厳・統合体という欧州の生命倫理の視座から捉え直し、制度としてそれを支える倫理と法の接点を豊富な資料から詳説。巻末には、世界各国の最新の法制度と終末期医療の比較資料を掲載。印象論的な「滑り坂」議論に覆われがちな今こそ、「死を選ぶ自由」が意味するものを問い直す一冊である。【著書より一部抜粋】
護送船の同心である庄兵衛には「喜助の顔が縦から見ても、横から見ても、いかにも楽しそう」に思えると、鷗外は書いている。それはどうしてだろうか。「信仰の駒士」であるアブラハムではない、「われわれ」である喜助はどうすべきか。個人の内面を固く信じて「懊悩」と「不安」の道を歩まざるを得ないはずだ。それなのに、なぜ喜助は「楽しそう」なのか。それは、これまで助け合って生きてきた弟、嘉助の「晴れやかに、さも嬉しそうな目」と一になれたからであろう。
著者名 盛永 審一郎 著
発行元 東信堂
発行年月日 2025年7月
ページ数 128ページ
ISBN 9784798919744
盛永先生は安楽死、尊厳死、医療倫理で我が国を代表する哲学・倫理学者です。本学開学以来、生命倫理、医療倫理に関する授業を学士課程でも博士前期・後期課程でも担当しています。他にも出版された本は多数あり、その多くは図書館に架蔵されています。
担当:大学院サステイナブルシステム科学研究科
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